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クリエ通信
お住まいコラム
2020.4.09私たちの社会は人生100年時代を向かえ、人口減少、少子高齢化、空き家対策、老後2000万円問題、障がい者・認知症患者の増加、社会保障制度の危機、などの様々な社会問題が危惧されています。つまり、自分自身も含め家族や友人にハンディキャップを持つ方は、今後ますます身近な存在となっていき、バリアフリーという価値観、住まいづくり、暮らし全体のデザインは、最も大切な考え方となってきます。今回のお住まいコラムは、私たちが考える「バリアフリー/ユニバーサルデザイン」についてです。最後までお読みいただければ幸いです。
バリアフリーとは
バリアフリーとは、直訳すれば「障壁の除去」という意味であり、辞書では「高齢者や障害者が社会生活を送るうえで障壁となるものを取り除くこと」とされています。
まず「バリアフリー」と聞いて、車椅子用のスロープや、手すりなどの設備を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。以前は、このような物理的な障害を緩和することを指していましたが、現在では社会制度や人々の意識を含む、あらゆる障壁を取り除くことを指すようになりました。
この「あらゆる障害(バリア)」については、「物理的なバリア」「制度的なバリア」「文化・情報面のバリア」「心のバリア」の4つのバリアがあるとされています。
バリアフリーと合わせて使われるようになった言葉として「ユニバーサルデザイン(Universal Design:どのような人でも使いやすいデザイン)」や、これらと意味が近い言葉として「アクセシビリティ(Accessibility:どのような人でもどのような環境においても情報やサービスにアクセスしやすいこと)」などがあります。
バリアフリーの定義・考え方
バリアフリーという言葉は、時代の流れとともに人々の認識が変化していることから、明確な「定義」よりも、「考え方」という視点で捉えた方が良いようです。内閣府が提唱しているバリアフリー推進要項で述べている、バリアフリーに対する考え方をまとめると、以下のようになります。
「人の能力や個性は一人ひとり違い、性質が全て同じという人は誰一人おらず、環境や状況によってその性質は刻々と変化していくものである。そのため、障害の有無や年齢にかかわらず、一人ひとりが自立し、お互いを尊重して社会生活を送ることができる環境を整備していくことが重要である。特に障害者・高齢者・妊婦や子供連れの人々が社会生活を送る上でバリアとなるものを取り除くとともに、新しいバリアを作らない施策(ユニバーサルデザイン)が必要である。」
以上のようにバリアフリーという考え方は、「どのような人でも喜びを持って社会生活を送れる世の中にしていこう!」という、とても前向きなイメージの言葉として定着してきていることがわかります。
バリアフリーの課題
バリアフリーの今後の課題は、ハード面(物理的)とハート面(心理的)のギャップを埋めることです。2006年12月のバリアフリー新法施行後、日本のバリアフリー化は素晴らしい成果を遂げてきましたが、実際の利用者目線で見れば、まだまだ不便や危険が山積みです。例えば、建物間の移動に細かい段差などの不備が残っていたり、古い観光地では景観や伝統を守るためにバリアフリー化が難しかったり、また、小さな商店街などでは誰もが利用しやすいスペースを確保することが難しい現状があります。これらの物理的な問題の解決には、多大な費用と時間がかかります。
たとえ物理的に改善されていたとしても、実際に利用者が使い易くなっているかというと、必ずしもそうだとは言いきれません。そこには周りの人の理解や思いやりがあってはじめて有効に使える設備もあるからです。例えば、電車の優先席に優先対象ではない人が座っていたらどうでしょう。せっかくのバリアフリーが活用されていないことになります。
以上のことから、現在のバリアフリーの問題点として以下の4つが考えられます。
① ハンデキャップのある人の存在そのものに対する認識が薄い
② その人たちがどのような障害を感じているのかに対する理解が少ない
③ ①②の情報を学ぶ機会が少ない人が多い
④ 障害者と触れ合う機会が少ないため意識できない
つまり、私たち一人ひとりが、障害者など対象の方に対する理解を深めることが求められているのです。
みんなが使いやすいユニバーサルデザイン
バリアフリーのように、「今まであった障害を取り除く」という考え方だけでは、状況の改善は難しいと言えるのかもしれません。バリアフリー化と合わせて、どのような人でも利用可能なデザインである「ユニバーサルデザイン」を取り入れていくことが現代の主流となっています。この考え方は、バリアフリーのように対象者を限定せず、「どのような人でも使いやすい」という点が特徴です。
前述の内閣府が提唱しているバリアフリー推進要項にもある「新しいバリアを作らない施策」がこれにあたります。はじめから様々な人が利用することを想定したデザインであれば、そもそもそこに障害がおこらないことになります。
例えば、視覚障害者用の黄色い誘導ブロックは、車椅子や杖の利用者にとっては走行や移動のしづらさの要因となってしまうこともあります。ひとつの設備に対しても、「ある人にとっては良くても、ある人にとっては良くない」という事態が発生するのです。「誰もが使いやすく」という視点をもって世の中をデザインしていくことが必要です。
住まいに関わるバリアについて
【人の動き(動作・動線・移動)のバリア】
・基本の起きる、座る、立つ、歩くがしづらい家具や設備
・すれ違うことが多い通路/廊下のある間取り
・動線にムダがある(行き止まり、曲がり多い)
【建物に関する(段差・開口・開閉)のバリア】
・段差があって通りづらい、危険性がある
・開口が狭く通過できない、危険性がある
・開閉が重たい、カタい、しづらい、できない
【温度・湿度環境のバリア】
・北側と南側の部屋に温度差があり、カビや結露が発生
・急激な温度差があり、ヒートショックの危険性が高い室内
・通気や透湿性が悪く、湿気や臭いの籠りやすい空間
【コミュニケーションのバリア】
・顔を合わせづらい、会話しづらい家具の配置や間取り
・視覚障害のある人とのコミュニケーション
・聴覚障害のある人とのコミュニケーション
・言語の異なる人とのコミュニケーション
以上のバリアを感じることの少ない住まいを「バリアフリー/ユニバーサルデザイン」の家といいます。
バリアフリー/ユニバサールデザインの家の重要性
「バリアフリー住宅」と聞くと、病院のような白く清潔感のある無機質な空間をイメージする人が多いと思いますが、私たちが考えるバリアフリーの家は、木の香りと調湿建材の「木と深呼吸する家」を意識しております。その他にも「バリアフリー/ユニバーサルデザイン」の住まいには、たくさんのメリットがあります。
・「木の空間×シンプル×機能的」を意識したバリアフリー住宅は、おしゃれでカッコイイ!
・永いシニア期を自宅で安心して過ごすことができる。(健康寿命と平均寿命)
・家族に万が一のことがあった時、心も身体も経済的にも大きなリスクヘッジとなる。
・バリアフリー/ユニバーサルデザインの家は、どんな人にも暮らしやすく資産価値が守られる。
超高齢社会と医療や介護の人材不足の問題などにより、病院のベットや老人ホームの受入れに規制や順番待ちが発生することが予想され、国は「地域包括ケアシステム」を推奨しています。地域の福祉サービス(住まい、医療、介護、予防、生活支援など)が一体的に提供されるネットワークの構築を目指し、できる限り老後を自宅で過ごしてもらうことを目指しています。つまり、自分自身の永い老後のためにも、「今も楽しく!未来も豊かに!」という考え方が、とても重要なのです。
バリアフリー/ユニバーサルデザインを意識した住まいづくり
①メーターモジュールの家
メーターモジュールは、1m(1000mm)を基本寸法とする設計基準のこと。一般的な「尺モジュール」と比べて約90mm長くなる。そのため、廊下や階段、浴室・洗面所、トイレなどのスペースが広くなり、住宅性能評価制度の「高齢者への配慮」5等級(最高等級)が取りやすいなどのメリットがあります。廊下をつくる場合は、居室の面積が狭くなる傾向があるため、オープンな間取りの住まいづくりがおすすめです。
スケルトン(構造)&インフィル(造作)の設計と組み合わせることで、将来リフォームしやすい可変性の高い住まいづくりを目指すことができます。メーターモジュールの家は、バリアフリー/ユニバーサルデザインの住まいづくりと相性抜群です。
②回遊動線を適度に取り入れる
回遊動線(回遊できる間取り)とは、「家の中に行き止まりが少なく、クルクルと室内を回れる間取り」のことをいいます。
【メリット】
・家の中の移動距離が短くなり、家事動線の質が高まり家事が楽になる
・通路での、人と人とのすれ違いによるストレスが軽減される
・部屋に広がりが生まれ、開放的な空間となる
・室内をグルグルと回れるので、子どもにとって楽しい空間になる
【デメリット】
・回遊動線を意識し過ぎると、収納部屋の収納量が減ることがある
・水まわりには扉が2ヵ所必要となりコストアップにつながる
・開放的な空間となるので、耐震や断熱性の低い家には不向き
以上のことをふまえ、回遊動線を意識し過ぎるのではなく、家族が良く通る可能性がある部分に回遊動線を適度に取り入れることが大切です。
③片開き戸(ドア)ではなく、片引き戸がおすすめ
一般的にドアといえば、片開き戸のことをさします。多様なインテリアに合わせやすく、建物の設計力をさほど必要とせず、片引き戸に比べればコストも安いため、多くの建設会社はなんとなく片開き戸をお客さまにおすすめしています。もちろん「このインテリアには、絶対にドアがいい!」という強いこだわりがある場合は、その感覚を大切して良いと思います。
ただ、家に暮らすご家族のライフスタイルは長期的に変化し続けること。以下のメリット、デメリットをしっかりと理解することが、これからの住まいづくりにとても大切です。
④バリアフリー/ユニバーサルデザインの住宅設備
【弊社がおすすめするバリアフリー/ユニバーサルデザインの住宅設備機器】
安心、安全、快適、そして、障害(バリア)を感じにくく、誰もが使いやすい商品をご紹介!
⑤「ユニバーサルマナー」という考え方
crie style クリエすずき建設では、「ユニバーサルマナー検定 」を全スタッフに推奨しております。高齢者や障がい者、ベビーカー利用者、外国人など、多様な方々を街で見かける現代に、私たちにとって“自分とは違う誰かの視点に立ち行動すること”は、特別な知識ではなく「心づかい」の一つです。多様な方々へ向き合うためのマインドとアクションを学ぶことを「ユニバーサルマナー」と呼びます。
私たちがユニバーサルマナーを学ぶ理由は、これからの時代に無くてはならない考え方だからです。物理的なバリアフリー化は、コストも時間もかかります。しかし、「ハードは変えられなくても、ハートはすぐに変えられる」のです。「バリアフリー/ユニバーサルデザイン」は、決して難しいことではなく、一人ひとりの柔軟かつ多様な「心」で改善できることも多いのです。
詳しくはユニバーサルマナー検定をご覧ください。
バリアフリー・ユニバーサルデザインの家づくりは、お任せくださいませ!
最後までお読みいただき誠にありがとうございます。
私たち crie style クリエすずき建設は、バリアフリー/ユニバーサルデザインの住まいづくりを大切にしております。
・新築注文住宅(平屋、二世帯住宅、ホームエレベーター)
・バリアフリーリノベーション(マンション)
・減築リノベーション(2階建てを平屋に)
・ケアリフォーム(トイレ増設、スロープ、手すり設置)
・ホームエレベーターリフォーム(押入れタイプ、屋外増築タイプ)
に関して、お気軽にご相談くださいませ。「今も楽しく!未来も豊かに!」を一生懸命ご提案させていただきます。
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